(*ここからは、noteの方にも書いている記事になります) 2018年の春、私はロンドン大学SOASの図書館の狭い棚の間で座り込んでいた。とある英文小説に出会い、これは、日本で映画にしなければならない、と思った。よくそこまで飛躍できたと思うけれど、その…
(作品内容の少々のネタバレを含みます。) このエッセイ集という名の「文学作品」の凄みは、読者がいったい何を読まされているのか、最後の最後まで気づけない点にある。そんなふうに思う。 ロシア文学研究者、翻訳家でいらっしゃる奈倉有里先生の初の随筆…
終戦記念日に合わせるつもりはなかったが、今日のうちに書いておきたい。 私は平成生まれの完全なる戦後世代だ。戦争に思いを馳せようとしても、テレビに映る記録映像を、何かしら優れた映像作品として観てしまう自分がいる。そんなもやもやとした膜のような…